開発・設計の勘所

汎用CPUボードの使用による開発期間短縮・コスト削減

Before

以前よりLinux等のOSを実装する産業用途向け制御基板では、独自で専用基板を開発することが多く、CPUチップのベンダーからリリースされている評価ボードをベンチマークとして、必要な機能を追加、削除したオリジナル基板を開発し、Linuxをボーティング移植するという、膨大なコスト、期間の必要な作業となっていました。

After

非常に有名な基板で、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)というARMベースの基板があります。名刺サイズで1万円前後のものが現在は中心となっています。CPUのパフォーマンスも高く、様々なLinuxディストリビュータからOSが供給されているため、開発者はハードウェア開発をすることなく即座にソフトウェア開発に専念することが可能です。

元々は学校や研究開発者が手軽に使用できるコンピュータとして開発されたものと思われますが、ハードウェア開発の初期投資が最小化できるというメリットから、一部産業用としても使用されています。しかし、手軽に使用できる反面、不具合等があったとしてもサポートは望めない、またいつEOLになるのかなどの情報は得ることが困難などのリスクは依然として存在する、ということを認識したうえで使用する必要があります。