開発・設計の勘所

BMS(バッテリ・マネジメント・システム)用LSIの選定

Before

リチウム・イオン電池の充放電には、それを監視、制御するBMS(バッテリ・マネジメント・システム)が必須です。通常複数ある電池セルの状態を正しく把握するためには、各セルの電池電圧を正確に計測しなければいけません。計測値がばらつくなど、正確に計測ができないと充放電量の算出に影響を及ぼし、その結果残量表示が正確でない、セルバランスの悪化などの問題が発生します。

After

上記問題に対する対処は、
①マイコンにより複数回計測、平均化を行う
②基板パターンや部品精度などを見直し精度を上げる
などの方法が挙げられます。

しかしながら、最もこの精度を左右する要因は使用するLSIの出来、不出来によることが大きいと考えられます。例えばA社のLSIでは計測値が安定せず平均化などの処理を余儀なくされますが、B社LSIではそのような揺らぎは発生せず安定した計測ができるといったようなことが起こります。A社B社共に世界的なLSIベンダーではありますが、アナログ信号処理技術において如実にその技術力の差が表れているように思います。