開発・設計の勘所

電源回路では、タンタルコンデンサの使用を避ける

Before

タンタルコンデンサは小型ながら容量が大きく、アルミ電解に比べてESR(インピーダンス)も低いため、電源部の平滑に使いたいところですが使用することは避けた方が良いといえます。過去に電源部にタンタルコンデンサを使用した基板を出荷検査のため、恒温槽内でエージングを行った際、数十枚あった基板のうち1枚が燃えてしまい、そのため槽内すべての基板が使えなくなってしまうなどの事象もありました。原因は基板の電源入力部に配置されていたタンタルコンデンサが故障により短絡し、燃えたことでした。

After

タンタルコンデンサは、故障モードが短絡であることから電源回路に使用してはいけません。故障率も高いようなので、その他の信号系の回路にもできれば使用しないようにしましょう。

大容量でESRの低い特性は魅力的ですが、品質的に大きな問題となりえますので、多少コストは高くなりますが、以下のコンデンサを使用するようにしましょう。

・積層セラミックコンデンサ
・アルミ・ポリマー(高分子)コンデンサ
・ポリマー(導電性高分子)固体電解コンデンサ

ただし、各コンデンサ毎に特性、使用上の制限事項、寿命など様々な注意点がありますので、採用にあたってはデータシートなどをよく確認することが必要です。