開発・設計の勘所

ICは必ずしも正しく動くとは限らない

Before

マイコン周辺回路には様々なICがリリースされています。しかし、必ずしもデータシートにかかれている通りの動作をしないことがあります。多くの場合、エラッタとして公開されておりこのような使い方を「してはいけない」という風に記載されているものが見受けられます。その他にも、メーカも気づいていないような不具合を持つICもあります。

過去に経験した不具合には以下のようなものがありました。

①動き出して数分後、そのICの機能が停止する。(内部発振回路の設計不良で、内部回路のICが停止していた)
②RS232Cドライバ/レシーバICで通信ができないときがある。(RS232C通信IC内部の電源起動不良があり、正しく立ち上がる時とそうでないときがある)
③GPIO ICが動作しないときがある。(電源の立上りが早すぎると正しく内部リセットがなされず動作できない)
④マイコンでプログラムが複雑化すると、正しいIO出力がされなくなる。
⑤LEDドライバICの動作不良率が異常に高い。(数百個に一個のレベル)

After

上記はそのほとんどがエラッタとして公開されていない、もしくはICメーカですら問題を把握していないというケースがほとんどです。従っていくら注意しても、ICに内在する不良を事前に見つけ出すことは困難です。しかし、少しでもそのようなICを選択してしまうというリスクを回避するには、以下のような事柄が挙げられます。

・海外のマイナーなメーカ(特に中国、台湾などのメーカ)のICは採用しない
 ➡上記①⑤の事例が該当。設計品質、製造品質、品質管理そのものが有名メーカに比べて劣っていると考えられる。

・データシートをよく確認し、通常では書かれないような注意事項や、エラッタが公開されていないかを確認する。
 ➡データシートなどである事象について普段見かけないような事柄を記載されている場合なども注意が必要です。事実上の使用制限であったり、過去に起きた不具合の回避方法だったりします。中には過去のデータシートでは「エラッタ」と表現されていたものが、現在のデータシートでは、「要求事項」という表現にしれっと置き替えられていたりします。この表現の変化からも、メーカとしてはシリコンレベルでこの問題を修正するつもりはないという意思、姿勢が伝わってきます。上記③の事例が該当します。

ちなみに、②⑤の事例については、いずれもメジャーなメーカのICですが、そのような不良をメーカも認識していない、もしくは聞けば問題があるというような回答をしてくるレベルのもので、正直防ぎようがありません。あえて予防措置とするなら、リリースの古いICは使用しない(新しいバージョンで密かに修正している可能性があるため)、ぐらいしかありません。ただし、市場で大量に使用され十分に検証されている定番ICは別です。