開発・設計実績

ブラシの回転制御 兼 摩耗管理ユニット

製品分類基板・ボード
業界・用途産業機器
特徴一貫対応 機能向上
対応領域構想設計、回路設計、基板設計、機構設計、組み込みソフトウェア設計、評価、製造・検査

事例詳細

ワーク清掃用回転ブラシの駆動用DCモータの回転速度調整機能と、ブラシの摩耗を検知しアラームを出力する制御ユニットを開発した事例です。

当初、お客様より使用しているワーク清掃用回転ブラシに関して下記のご相談がございました。

・清掃対象となるワークの種類に応じて、回転ブラシの速度を最適化し、清掃品質を向上させたい
・ブラシの摩耗が進むと清掃力が低下するため、ブラシの摩耗を自動検知し、交換時期を把握したい

これらの課題を解決するために、現行のワーク清掃用ブラシを拝見の上、当社にて検討を進めました。

まず、ブラシの回転制御について、新たにモーター制御ユニットを開発の上、外部のDC電源出力を取り込み、PWM(パルス幅変調)出力を行いました。これにより、モータへの出力電力を高精度に調整し、清掃対象となるワークに応じた回転速度の制御を可能としました。

次に、ブラシの摩耗検出ついて、現行品を確認したところブラシが摩耗するとワークとの接触負荷が低下し、それに伴いモータの駆動電流も低下する現象が発生していました。この現象を基に、モータ負荷電流の低下を継続的に監視を行い、摩耗を検出する仕組みを構想しました。新たにマイコンを用いた集中制御を活用した摩耗管理ユニットを開発し、モーターの駆動電流を監視し、摩耗判定まで実施できるようにしました。また、ユーザーが設定調整や状態確認を容易に行えるよう、組み込みソフトウェアも作成し、7セグメントLEDに数値にて表示する形式としました。

ただし、このモーターの駆動電流による検知では、モータの動作ノイズや負荷の変動により計測電流値が大きく変動するという課題がありました。この変動が大きいと、測定タイミングによって摩耗度合いを誤判定する可能性がありました。この問題を解決するため、実機実験に基づき最適なアルゴリズムを適用することで、計測結果を安定化・最適化し、摩耗検知の精度を飛躍的に向上させることに成功しました。