開発・設計の勘所

フォトカプラの寿命を考慮して設計する

Before

フォトカプラ(フォトアイソレータ)は、マイコンシステムからの入出力信号を一度光に置き換えることで、外部からのノイズを分離しマイコンの誤動作を防ぐために非常に有効なデバイスです。
しかしこの部品特有の特性を理解していないと、短期間でシステムが正常動作できなくなる可能性もあるため、設計上の注意が必要です。

After

フォトカプラは部品内部のLEDを点消灯することによりデジタル信号を伝達します。しかしその特性はアナログ的な要素を含むため、主に2つの注意が必要です。
①出力電流に対し、入力電流は十分か
フォトカプラを使用する場合、データシートで示される変換効率(%)に注意する必要があります。
これはLED側の入力電流に対し、トランジスタ側の出力電流がどのくらいまで流すことができるのかという指標です。
例えば変換効率が50%である場合には、入力電流が10mAである場合、出力電流は5mA以下に抑える必要があります。
一般的には、部品一つの型式についてランク分けされているものが多く、例えばTLP-521などは変換効率50~600%のばらつきがありますが、ランク分けすることによりその範囲を限定しています。

②経年劣化は考慮されているか
LEDは発光時間と共に光出力が低下します。
このことを考慮しておかないと、時間の経過により変換効率が低下し、出力電流を流せなくなることによる、動作不良となる可能性があります。対策としては、LEDの電流値を変換効率より導き出された値よりも大きく設定する必要があります。
どのくらいというのは、設計寿命、使用環境などにより異なりますので、
東芝デバイス&ストレージ株式会社が開示する「5-12. フォトカプラーの経年変化」などの資料を参考にすることをお勧めします。
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/e-learning/discrete/chap5/chap5-12.html

一般的な目安としては、5%/年のレベルで劣化すると考え、10年後には初期の60%まで変換効率が低下するという前提で、変換効率が半分になってもトランジスタ側出力が電流を流すことができるよう、入力側の設計を行う事が必要です。
例えば、出力に3mAの電流を流す回路で、フォトカプラの変換効率初期状態の最低値が100%である場合、入力電流は最低3mAで動作しますが、10年後の変換効率の低下を見越した設計では、入力電流を6mA以上とすることが必要となります。

>>>お問合せはこちら