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ダイオードの逆漏れ電流に注意
Before
ダイオードは一方方向にのみ電流を通す特性の単純な半導体ですが、逆漏れ電流の特性に注意しておかないと思わぬトラブルに見舞われます。
実体験①:スイッチング電源用フライホイールダイオードの焼損
スイッチング電源を開発し温度試験を実施しましたが、翌日確認するとフライホイールダイオードが故障していました。
順方向電圧(VF)の小さいショットキーバリアダイオード(SBD)を選定しており、フライホイール動作時のロスも小さいのになぜ故障するのか最初はわかりませんでした。
実体験②:マトリクス表示LEDの意図せぬ微点灯
お客様よりある家電製品の開発で、操作パネル上に複数ある状態表示用LEDが、意図せず薄暗くついてしまうことがあるとのご相談を受けました。
端子間に導電性のごみが付着しているのではとのお客様の見解でしたが、複数の基板で発生しており別の要因が疑われました。
After
実体験①:選択したショットキーバリアダイオードの特性に見落としがありました。
ショットキーバリアダイオードは、高速スイッチング特性と順方向電圧(Vf)が低いということが特徴ですが、逆漏れ電流(Ir)が比較的大きく、しかも温度上昇に伴いその値は指数関数的に増えることがあります。
この逆方向電圧(V)が印加され、逆漏れ電流(Ir)との積で、ショットキーバリアダイオードには熱損失(Pd)が発生するため、この熱損失の限界をオーバーしてしまったのが原因でした。
対策としては、逆漏れ電流の比較的小さなダイオードに変更することで問題は解決しました。
設計においては、逆漏れ電流による熱損失も考慮した設計が必要です。

実体験②:複数のLEDを効率的に点消灯させるために、マトリクス状の接続を行う事があります。
この場合、LEDの逆漏れ電流が大きいと、思わぬ経路に電流が流れ意図と異なるLEDを点灯させてしまうことがあります。
(図ではLED_Aが点灯するときの回路状態を示していますが、LED_Bの逆漏れ電流が大きいと点線のような電流経路が発生し、意図せぬLED_Cの微点灯が発生します。)
このような用途では、LEDの逆漏れ電流がどのくらいのレベルのもので、予想外の動作が発生しないかの確認が必要です。
因みに問題の発生したLEDのデータシートには、逆漏れ電流の仕様定義はありませんでした。
逆漏れ電流が規定されており、このような誤動作を引き起こさないレベルのものに交換することにより、症状は発生しなくなりました。

