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マイコンとは?その用途と構造について解説!

エアコンの温度調節から自動車のエンジン制御まで、私たちの身の回りにある電子機器が賢く動作するのは、内部に組み込まれた「小さな頭脳」のおかげです。その正体こそが、今回解説する「マイコン(マイクロコントローラ)」です。今回は現代社会を支えるマイコンが、どのような仕組みで動き、私たちの生活や産業にどう貢献しているのか、その基本から具体的な用途までを分かりやすくご紹介します。
マイコンとは?
マイコンとは「特定の仕事をするために設計された、小さなコンピュータ」です。パソコンがCPU(中央処理装置)を中心に、メモリや記憶装置などを組み合わせて構成されるのに対し、マイコンはこれらの機能を1つの半導体チップ(IC)に集積しています。
この「ワンチップ」に必要な機能がすべて収まっている手軽さから、家電製品や自動車、産業機器に至るまで、あらゆる製品の「頭脳」として組み込まれ、その製品ならではの機能を実現しています。マイコンは、現代の電子機器にとって無くてはならない存在です。
マイコンの基本構造
マイコンという1つのチップの中には、コンピュータとして動作するための様々な機能が詰め込まれています。その主な構成要素についてご紹介いたします。
CPU (Central Processing Unit)
人間でいう「脳」にあたる、マイコンの中核部分です。メモリからプログラムを読み出し、その命令に従って計算や判断を行い、各機能をコントロールします。
メモリ
プログラムやデータを記憶する領域で、主に2つの種類があります。
ROM (Read Only Memory)
作成したプログラムを書き込んでおくための記憶領域です。電源を切っても内容が消えない不揮発性メモリ(フラッシュメモリなど)が使われます。
RAM (Random Access Memory)
プログラムの実行中に、計算結果などのデータを一時的に保存しておく作業用の記憶領域です。電源を切ると内容は消えてしまいます。
周辺機能 (Peripherals)
マイコンが外部の部品とやり取りをしたり、特定の機能を実現したりするための回路です。
I/Oポート (入出力ポート)
センサーからの信号を受け取ったり、LEDを点灯させたり、モーターを動かすための信号を出力したりする、外部との窓口です。
A/Dコンバータ
温度や光の強さといった連続的な量(アナログ信号)を、マイコンが処理できるデジタル信号に変換します。
通信機能
他のマイコンやICチップ、コンピュータと情報をやり取りするための機能です。
これらの機能がワンチップにまとまっているため、電子回路をシンプルに、そして製品を小型に設計することが可能になります。
マイコンの用途
マイコンは、その versatility (汎用性) と cost-effectiveness (費用対効果) の高さから、考えられるほぼすべての電子機器で活躍しています。
家電製品
エアコンの温度・風量制御、炊飯器の火加減プログラム、洗濯機の自動運転シーケンス、テレビのリモコン操作など、家庭にある電化製品のほとんどにマイコンが搭載されています。
自動車
現代の自動車は「走るマイコンの塊」とも言われます。エンジンやトランスミッションの最適制御、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)、エアバッグ、カーナビゲーション、パワーウィンドウなど、1台の車に数十個から百個以上のマイコンが使われています。
産業機器
工場の生産ラインで動くロボットアームの精密な動作制御や、各種製造装置の制御、設備の異常を監視するセンサーシステムなど、高い信頼性とリアルタイム性が求められる産業分野でも不可欠です。
IoT機器・ウェアラブル端末
スマートウォッチやスマートスピーカー、各種センサーデバイスなど、小型で省電力性能が求められる機器の制御にもマイコンは最適です。
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