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組み込みハードウェアとは?種類や設計のポイントについて解説!

現代社会を支える多くの製品には、特定の機能を実現するためのコンピュータシステムが内蔵されています。これが「組み込みシステム」です。そして、そのシステムの物理的な「身体」にあたる部分が組み込みハードウェアです。
今回は組み込みハードウェアの基礎知識から、その種類、設計における重要なポイント、そして切っても切れないソフトウェアとの関係性について詳しく解説します。
組み込みハードウェアとは?
組み込みハードウェアとは、特定の機能を持つ機械や装置に組み込まれる電子回路や基板、CPU、メモリ、センサーといった物理的な電子部品の総称です。
私たちが日常的に使用するスマートフォン、テレビ、洗濯機などの家電製品から、自動車、工場のロボット、医療機器といった産業用の高度な装置まで、あらゆるものに組み込みハードウェアは搭載されています。汎用的なコンピュータとは異なり、製品の目的や機能に合わせて最適化・専用設計されているのが大きな特徴です。
組み込みハードウェアの種類
組み込みハードウェアは、主に以下の要素で構成されています。
CPU / MPU / MCU (マイコン)
システムの「頭脳」として、プログラムの命令を実行し、全体の制御や演算処理を行います。製品の要求仕様(処理速度、消費電力、コストなど)に応じて、最適なものが選定されます。
メモリ
プログラムやデータを記憶するための「記憶装置」です。処理中にデータを一時的に保存するRAMや、プログラムを永続的に保存するROM(フラッシュメモリなど)があります。
入出力 (I/O) インタフェース
システムの「五感」や「手足」にあたる部分です。センサーからの情報(アナログ信号)を受け取ったり、モーターやランプ(デジタル信号)を制御したりするための接続口の役割を担います。
周辺回路
上記の主要部品を安定して動作させるための電源回路や、部品同士を接続するバス回路など、システム全体を支える様々な回路が含まれます。
組み込みハードウェアの設計の流れ
高品質な組み込みハードウェアを開発するには、多岐にわたる専門知識と経験が求められます。設計プロセスにおける重要なポイントをいくつかご紹介します。
構想設計
製品の根幹を定める最も重要なフェーズです。お客様の要求仕様から潜在的な課題を洗い出し、製品ライフサイクル全体を見据えて品質とコストを最適化します。原理試作による実現性の検証も欠かせません。
回路設計
システムの性能と信頼性を直接左右します。産業用途で求められる高速処理や高信頼性を実現するデジタル・アナログ混在回路の設計や、部品の生産中止(EOL)に対応する技術力が問われます。
基板設計
設計した電子回路を実装する基板の設計です。製品の誤動作や故障を防ぐため、シミュレーション技術を駆使したノイズ対策や発熱対策が極めて重要になります。
機構設計
電子部品を収める筐体(ケース)の設計です。単なる保護だけでなく、小型化、防水・防塵、耐振動・耐衝撃といった耐環境性能や、電磁波対策(EMI/EMC)など、使用環境に応じた設計が求められます。
組み込みハードウェアと組み込みソフトウェアの関係とは?
どれだけ高性能なハードウェアを用意しても、それだけではただの「箱」にすぎません。ソフトウェアがハードウェアの特性を100%引き出すように設計・プログラミングされて初めて、製品は意図した通りに機能します。
逆に、ソフトウェア側もハードウェアの性能や制約を深く理解していなければ、最適なパフォーマンスは得られません。例えば、特定のCPUの処理能力やメモリ容量を考慮せずにソフトウェアを作ると、動作が遅くなったり、そもそも動かなかったりします。
このように、両者は密接不可分であり、優れた組み込みシステム開発には、ハードウェアとソフトウェアの両方に精通したエンジニアによる連携が不可欠なのです。
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